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自筆証書遺言を作る際の注意点

  • 文責:所長 弁護士 石井浩一
  • 最終更新日:2023年1月18日

1 自筆証書遺言の形式的な要件

自筆証書遺言は、まず、その全文と日付、氏名を遺言者が自署し、押印するという形式的用件を満たさなければ、現在の民法では有効となりません。

なお、平成31年の民法改正で、一部、財産目録のみ自筆でなくても構わないという法律改正がなされましたが、それ以外はすべて自筆で書かなければなりません。

例えば、複数の相続人が存在し、不動産を遺言書によって一人の相続人に相続させるような場合は、不動産の所在や地目、種類などを登記と一致するように記載した方が、後の名義変更がスムースに行えるため望ましいと言えます。

こうした場合、自筆証書遺言では、全文を遺言者が自書しなければならないので注意が必要です。

また、自筆証書遺言を何通か作成し、複数の場所で保管したいという場合は、それぞれ全部自署する必要がありますので、書き損じによってそれぞれの遺言書の内容が異なることを避けるため、慎重な作成が必要となります。

2 遺言作成の経緯に疑義が生じない工夫

自筆証書遺言は、上記の形式的用件を満たしさえすれば、遺言者一人で作成することができます。

これは、自己の取得分が法定相続分より少ない相続人等から、作成の経緯を疑われやすいとも言えます。

本当に遺言者の意思のみで作成されたのか、遺言書の中で多くの財産を取得することになっている者の強い影響下で遺言者の本意でない遺言書が作成されたのではないか等の疑いが出てくることがあります。

しかし、疑う方も疑われた方も、遺言者が亡くなった後ではお互いの主張を裏付ける客観的証拠が少なく、証明することは難しい場合が多いです。

それでも納得がいかないために、遺言の有効・無効の確認請求訴訟が提起されることは少なくありませんが、長期化して解決が難しくなってしまうケースもあります。

このような後の紛争を回避するため、作成経緯についてメモを残したり、場合によっては作成経緯を録画したりすること等が有効です。

当事務所では、遺言書作成の無料相談にご対応しております。

また、自筆証書遺言書を作成するお手伝いから、遺言書の保管・遺言の執行までサポートさせていただきますので、お気軽にご連絡ください。

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